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プロ御用達の堺刃物
プロの料理人の90%が愛用しているといわれるのが、堺の包丁です。
伝統の鍛錬と研ぎの技術によって作られた堺打刃物(登録商標)です。経済産業大臣指定伝統的工芸品でもあります。
堺在住の記者の祖父も刃物の研究者でして、母の嫁入り道具は包丁だったと聞いております。
切れすぎてコワイから使ってないということですが。笑
しかし、包丁は切れすぎるから危険というわけではないです。
堺刃物(これも登録商標)は、ステンレス包丁のように、上から叩いて切るのではなく、手前に引くと切れやすくできています。刃物自体の重みで切れるので、力を使わず、長時間使っても疲れず、実は怪我もしにくいとか。
使い方がわかっていれば安全。知らないと危険ということですね。
これは包丁に限らずプロフェッショナルな道具ってそういうものなのでしょう。
デリケートなのでお手入れは怠れません。
(お手入れを怠った堺包丁)
家庭用には、安くて手入れが楽で、さびないお手軽なステンレス包丁も良いと思います。
ステンレス包丁でも手入れをすれば長く使えます。
堺刃物の歴史
古墳時代には堺に鍛鉄技術が伝わっていたようで、平安時代には刀を作っていたようです。
室町時代に南蛮貿易により煙草包丁が入ってきて、天文12年(1543年)に、鉄砲が伝来しました。
織田信長などの戦国大名に注目され、鉄砲の製造ではたいへん儲かっていたようです。
平和な江戸時代になると、鉄砲の技術は包丁作りに活かされるようになり、堺の刃物は徳川幕府が極印「堺極」を附して専売したということです。
堺では、鉄砲づくりから分業制がとりいれられ、刃物も、鉄を鍛える人、研ぐ人など、専門化しておりました。今でも、旧堺市内には研ぎ専門とか、叩くの専門とかの小さな町工場が点在しています。
ステンレス包丁は、昭和の後期から研究されました。
記者の祖父もステンレス包丁の研究をしていたそうで、ヨーロッパに国費で研究旅行に行かせてもらったそうです。当時は海外旅行なんて庶民には無縁でしたので、遺書をしたためていったとか。
堺の観光スポット
チンチン電車(阪堺線)の走る大道筋沿い、妙国寺のあたりに堺刃物商工業協同組合連合会の堺刃物ミュージアムがあります。
堺刃物ミュージアムには、マグロ切り包丁のような巨大なものから美術品のような美しい刃物まで、さまざまな刃物が展示販売されています。
プロの技も見学できますし、研ぎ直しや包丁供養もしてくれます。
大仙公園内の堺博物館でも、刃物関係の資料はたくさん見ることができます。
包丁マニア、ナイフマニアの人が訪れれば、満足間違い無し。
ぜひ堺までお越し下さい。
◆ 堺のT 記
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