岸和田の祭りといえば勇猛果敢なだんじり祭りがイメージされるでしょうが、静かに厳かに行われるお祭りもあります。
岸和田をずーっと葛城山の方に登っていった人口160人ちょい、戸数36戸という小さな「塔原町」に伝わる「葛城踊り」という雨乞いのお祭りです。
カナカナカナカナ・・・とヒグラシの鳴き声が響き渡る、ほんとうに田舎の山だなあという土地柄です。
岸和田は、江戸の昔から農業が盛んではありましたが、降雨量には恵まれず、溜池をたくさん作って、なんとかやりくりしてきたという歴史があります。
そのため雨乞いというのは、岸和田藩の公式な行事だったようで、お上からも予算が組まれていたとか。
雨乞いは、産業振興のための欠かせない投資だったのですね。
その雨乞いをする聖なる場所が葛城山であり、5つの村で雨乞いをしていたそうですが、、明治になってからは何度も途絶えた時期があったそうで、復活したのが昭和30年、それ以来は塔原町の弥勒寺に毎年8月14日に奉納されているということです。
近代科学の進んだ現代ニッポンで、雨乞いの効果を信じる人も少ないでしょうが、無形民族文化として伝えられています。
子供が太鼓を叩くというのが、正当なスタイルだそうですが、子供が少なくて、しかたなく大人が叩いているとか。
今年は久しぶりに小学生2名の確保ができたとのことで、きらびやかな衣装の子どもたちが頑張っておりました。
岸和田の土生鼓踊りも雨乞いの伝統芸能
山からおりてくれば、東岸和田駅前の公園では、土生鼓踊りが行われていました。
こちらも、雨乞いに纏わる行事がはじまりで、雨に喜んだ農民が、樽や太鼓をたたいて踊ったのが始まりだそう。今では、櫓を組んでの盆踊りとして、夜店の屋台も立ち並び、大人も子供も賑やかに盛り上がっています。
8月13日、14日の二日間行われます。
葛城踊りは神妙に見学するだけですが、こちらは気軽に飛び入り参加できます。
◆ 堺のT 記
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