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堺の鉄砲事情
堺は鉄砲の町として有名でありまして、鉄砲町という地名が今も残っています。
といっても、現役の鉄砲店・銃砲店・ガンショップは少ないです。サバイバルゲームのお店があるくらいで、本物の銃を扱うお店は、ほとんどないようですね。
で、堺の老舗の鉄砲屋はこちら。
こちらは鉄砲鍛冶屋敷として観光マップに載っております堺区北旅籠町にある、江戸時代の鉄砲づくりの名人、井上関右衛門の自宅兼工場兼店舗です。指定有形文化財になっています。
井上関右衛門の子孫の井上さんが今でも住んでおられるようで、内部は非公開ですが、火縄銃や懐銃、大筒や大ふいご、御用札などが保存されているとのことです。
なお、現在は鉄砲の販売はしておりません。
近くには射的場跡の石碑や、鍛冶職人の守り神の祀られる高須神社があります。
近所の町家を利用した堺鉄砲館では、鉄砲工場の再現や、実戦に使われた足軽鉄砲や装飾が美しい大名の鉄砲など、いろいろ見学できます。
土日祝のみの開館ですが、(堺区北旅籠町西1丁2-7)
堺の鉄砲づくりの歴史
境と鉄砲の関係について歴史的なことを書きますと、ポルトガルから種子島に鉄砲の製造技術が伝わり、それを橘屋又三郎という人が堺に持ち帰ったのが天文12年(1543年)。
商売人の町の堺では、分業制を取り入れ、優秀な鉄砲を大量生産できるようになりました。
千利休のお茶会での営業活動のおかげもあって、全国から注文を受けるようになったそうです。
商人の町なので商売もうまかったんですね。年間に1万挺以上を製造販売していたようです。
(堺市博物館)
「君死にたもうことなかれ」で有名な与謝野晶子を生んだ堺ですが、そもそもは武器商人の町でもあったわけです。
戦国時代から平和な江戸時代になると、鉄砲鍛冶は庖丁鍛冶に変わっていき、今の堺庖丁の礎となったということです。
堺観光のおすすめスポット(鉄砲)
鉄砲は、堺鉄砲館以外にも、堺市役所の展望ロビーや、大仙公園内の堺博物館にも展示されています。
博物館には、古墳の遺跡など、堺以前の歴史にまつわるものも多く、なかなか内容は充実しているのですが、訪問者はあまり多くないので、のんびり楽しめます。
鉄砲は、どれも年代物ですので(アタリマエか。)色がくすんでしまっておりますが、装飾はけっこう繊細なものでして、新品時はどれだけカラフルだったのだろうかと、想像を掻き立てられます。
戦国時代は実用品だったのでしょうけど、平和な江戸時代は、なんといいますかステイタスといいますか、今で言えばレクサスに乗っているとか、そういうかんじだったのじゃないでしょうかね?
大仙公園の屋外イベントの暑さを避けるために、博物館に入るというのもオススメです。観覧料は200円です。
毎年10月に行われる堺まつりのパレードでは、堺火縄銃保存会が、戦国武将のスタイルで鉄砲をぶっぱなしてくれます。なかなか迫力のある音ですよ。
◆ 堺のT 記
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