堺市にある百舌鳥古墳群の、大きさでいうと第8位の「いたすけ古墳」です。ベーシックな前方後円墳の形をしています。「百舌鳥・古市古墳群」ついに令和元(2019)年7月にユネスコの世界遺産委員会で正式に世界遺産登録が決定しました
といっても、地上から見ると、住宅地の中の池の中の小山というかんじです。
仁徳天皇陵のような超巨大古墳に比べると、まだ形がわかりやすいかも。15分ほどで一周歩けます。
たいていの古墳は、濠の周囲は整備されても、墳丘自体は手つかずになっているところがおおいですが、いたすけ古墳はわりと定期的に草刈りなどされています。
手入れの際はゴムボートで渡ります。
イタスケ古墳には、古墳としては珍しく橋が架かっているのですが、橋は途中でポッキリ折れておれていて渡れません。
これは古代の橋ではなくて、コンクリート製です。折れたのも震災とかじゃなくて、人為的にです。
実は昭和30年頃の高度成長期に、住宅をどんどん増やすのに、古墳をバンバン埋めていました。百舌鳥古墳群にあった300以上の古墳は、半分くらいにまでなってしまったのです。
おそれおおくも、お墓でもある古代遺跡を破壊しまくってたんですね。
いたすけ古墳も、土砂採掘の重機が通るようにコンクリートの橋が架けられたというわけです。半分ハゲ山になっているのも、木を伐採したからです。
しかし、地元や教育関係の人たちからの反対運動があって、開発が中止になりました。ポッキリ折られた橋と、いたすけ古墳から出土した兜の埴輪は堺市の文化財保護のシンボルになっています。
現在はどういう経緯かタヌキの家族が住んでおりまして、橋の上でよく日向ぼっこしているのが見られます。外敵もなく、近所の人が餌を投げ入れているので、のんびり暮らしているようです。
◆ 堺のT 記
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